太鼓(チヂン)と三味線
みなさんこんにちは。
台風一過の奄美から一筆啓上。
15号台風は、予想に反し奄美本島を西寄りに避けて通り、
ワキャシマもお蔭様で無傷で存在しております。
被害に遭われた本土の方々、心よりお見舞い申し上げます。
さて、今日の話題ですが、前回の「八月踊り」で紹介した「チヂン」と
「三味線」のお話をしましょう。
チヂンです
奄美の「八月踊り」になくてはならないものです。
太鼓には、大太鼓・ 楽太鼓・締太鼓など沢山の種類があります。
「チヂン」は締太鼓に分類されますが、写真のとおり一風変わっていますね。
そう、太鼓の革を張る部分が特徴的で、本土でよく見かける締太鼓は、
紐の締め付けによって張り具合を調節するのですが、チヂンは張り紐の間に
木製の楔を並べ、それを打ち付けることにより張り具合を調節するのです。
この種の太鼓は奄美独特のもので、しかも奄美本島でのみ使われているという
不思議な太鼓なのです。本島以南の島々では琉球太鼓が主流となっています。
なお、胴の両面に張られている革は、ヤギの皮が使われています。
また、チヂンを打つためのバチは、山に入り適当な木の枝を調達してきて
自分で作ります。
三味線
本土の三味線と比べ、ひと回り小さくて胴に丸みがあり、何よりも特徴的なのが
胴に張られている「ハブ」皮でしょう。でも今では本物の「ハブ」皮はほとんど
使われなくなりました。本物は耐久性に乏しく長期の使用が難しいことから、
現状は人工皮革が主流となっています。
撥は竹製で、竹ひご状に加工したもので、市販されているものを使ったり
自分好みに自作したりすることもあります。(写真の胴の横に置かれた細い棒)
沖縄から奄美大島南部では、撥の形状も素材もガラッと変わります。
三味線の呼び名ですが、与論島や沖永良部島では「サンシン」と沖縄言葉で呼び、
徳之島では「三味線」「サンシン」が混在。奄美本島では「三味線」と呼ぶ人が
多いようです。
来月はいよいよ「八月踊り」の本番です。「六調」に欠かせない「三味線」の
出番です。
シマ中が一番活気ずく「八月踊り」
皆さんも踊りの輪に入りませんか! 一緒に踊りませんか!